完熟を見極める
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2026.08.13

32.

完熟を見極める

 

ブランド立ち上げから間もなく3年。念願だったベースメイク「ザ プランプ」シリーズが、この度デビューしました。目指したのは、仕上がりの美しさはもちろんのこと、高いスキンケア効果をも備えた“本物の美容液ファンデーション”。そこにFASらしく、妥協のない想いを込めた美容成分を配合したい――。その探求の先にたどり着いたのが、世界初の独自成分「いちじく発酵オイル」でした。完熟いちじくと酵母の発酵から生み出される、自然由来の油溶性成分。その鍵を握るのが、糖分・タンパク質・ミネラルをたっぷりと蓄えた「完熟いちじく」の存在です。その理想の果実を追い求めた先にあったのは、情熱あふれる手仕事と土地の恵み。ここから始まるのは、ひとつの完熟いちじくが紡ぐ物語です。

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知られざるいちじくの名産地・羽曳野市を訪ねて

実は、大阪府が全国第3位の生産量を誇るいちじくの名産地であることをご存知でしょうか。なかでも南部に位置する羽曳野(はびきの)市は、知る人ぞ知るいちじくの特産地。

羽曳野市におけるいちじく栽培の歴史は大正時代にまで遡ります。地元を流れる一級河川・石川の恵みを受けた水はけの良い砂地の土壌と都市部に近い立地を生かし、この土地ならではの美味しいいちじくが育まれてきました。

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いちじくは非常に傷みやすく繊細な果実。だからこそ、収穫後すぐに消費地へ届けられる大都市・大阪市内に近い環境は、栽培を広げる大きな後押しになりました。

わたしたちがこの地で巡り会ったのが、50年以上にわたり代々いちじくを育てている「藤井農園」。ここでご自身も14年にわたっていちじくと真摯に向き合い続けているのが、藤井貫司(かんじ)さんです。

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「完熟した、本来のいちじくの美味しさを、もっと多くの人に知ってほしいんです」と語る藤井さん。日常的に店頭で見かける一般的ないちじくとはひと味もふた味も違う、その味わいの背景には、あふれんばかりの情熱と丁寧な手仕事がありました。

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実りを支える、春の手仕事

FASが求める理想の完熟いちじく。その極上の味わいを実らせるため、春から黙々と手仕事が始まります。
新緑が広がる5月、いちじくの木々は力強く芽吹きます。藤井さんは、一本の木から無数に伸びる芽の中から、日当たりや全体のバランスを見極めて不要な芽を摘み取る芽かきの作業を行います。残すのは、横向きにすっきりと伸びた力強い芽だけ。さらに枝が下がらないよう支える誘引など、およそ1ヶ月かけて、いちじくに栄養が満遍なく届くよう一本一本を整えていきます。

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こうした丁寧な作業とともに欠かせないのが、土と水への心配りです。藤井農園では木の皮を熟成させたバーク堆肥を10トン以上投入し、微生物の働きで水持ちと水はけを両立する団粒構造の土を育てます。そこへ近くを流れる石川から引き込んだミネラル豊富な川の水を注ぎます。すべては、夏の盛りに向けて最高のいちじくを実らせるためです。

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深夜0時、完熟の一瞬を摘む

季節が巡り8月を迎えると、いよいよいちじくは最盛期を迎えます。なかでも、夏の強い日差しを浴びるこの時期こそ、いちじくが最も輝く季節。藤井さんが何よりも心血を注ぐのが、木の上でギリギリまで熟すのを待つことです。

「味の9割は収穫のタイミングで決まる」と藤井さんは言います。

いちじくは、木から摘み取った後に甘みが増す、追熟をしない果実。木の上で葉から注がれる養分を満タンに蓄えた“その瞬間”こそが、収穫に最適なタイミングです。わずか1〜2日の差で、いちじくの味わいはまるで変わってしまいます。たった2日早いだけでも、口の中に青くささが残ってしまい、木の上で熟し切った際立つ甘みや、後味のすっきり感は生まれません。摘み取った時の状態が、いちじくの美味しさのすべてを決定づけてしまうのです。

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朝7時の出荷タイミングに合わせて、最もフレッシュな状態で届けるため、藤井さんが畑へ向かうのはなんと深夜0時。暗闇の中、ヘッドライトの光だけを頼りに完熟した果実が放つツヤを見極め、一つひとつ丁寧に摘み取っていきます。

14年の経験を重ねた藤井さんであっても、その判断は極めてシビア。黒っぽく深まった色合い、表面にじんわりと現れるツヤ、そして何より一果ずつ指先で触れて確かめる繊細な柔らかさ。その日の天候や果実の状態に合わせて、長年の感覚を頼りに最適なタイミングを探っていきます。

完熟ギリギリまで木の上に置いておくことは、一度雨が降れば果実が傷んで出荷できなくなる大きなリスクと隣り合わせです。早く採ってしまえばロスは防げますが、藤井さんは笑顔でこう語ります。

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「廃棄になるリスクがあったとしても、やっぱり美味しいものを食べてもらえることのほうが大切なんですよね。周りの同じような考えの農家の人とも、よく『大変やな』って言いながらやっています」

本物の美味しさを届けるために、リスクを恐れず完熟ギリギリまでじっくりと待つこと――その徹底した見極めこそが、いちじく本来の格別な美味しさを引き出しているのです。

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産地でしか出会えない、完熟の味わい

熟し切った果実は非常にデリケートで日持ちがしないため、一般的な市場・スーパーなどの流通では、輸送中の傷みを防ぐためにどうしても早どりされたものが多くなります。だからこそ、産地や直送でしか出会えない完熟いちじくの味わいは特別です。

「スーパーで買ったものは苦手だったけれど、藤井農園のいちじくを食べて好きになった」というお客さんからの声は、木の上でじっくりと熟した、完熟いちじくならではの美味しさの証。

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「美味しいものを作って、それをお客さんに食べてもらって喜んでもらった時がいちばんやりがいを感じます。その瞬間のためにやってるようなところもありますね」

藤井さんの想いと羽曳野の土の恵みが凝縮された完熟いちじく。厳しい夏を乗り越え、豊かな栄養をたっぷり蓄えた果実から、FASの独自成分「いちじく発酵オイル」はこうして誕生したのです。

急がず、じっくりとその時を待つこと。それは、発酵をはじめとするFASのものづくりにも共通するあり方です。ブランド立ち上げ当初から構想を重ね、約2年の歳月を経て、この秋、3周年の節目にようやく形となったファンデーション。自然の恵みと時間を惜しみなく注ぎ込んだからこそ生まれる美しさを、ぜひご自身の肌でお確かめください。

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