"ものと思いを包む"丹後ちりめん風呂敷
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2025.02.19

11.

"ものと思いを包む"丹後ちりめん風呂敷

FAS THE CRAFTS

1. 1300年の歴史をもつ、京丹後の絹織物
2. 日本画の手法を応用し"染め"に奥ゆきを
3. "染められてこそ白生地"。山藤のちりめんへのこだわり

京丹後に育つ古代黒米の発酵から始まった「FAS」は、日本に古くからある素材やものづくりに目を向けた製品づくりを行っています。その探究心は化粧品のみにとどまらず、様々なものづくりの現場と「FAS」ならではの協業を「FAS THE CRAFTS」としてスタートしました。

早くも第三弾となる今回の試みは、友禅染め作家の齋田次郎さんとのコラボレーションです。FASの原点である京丹後に息づく伝統工芸・丹後ちりめんを斎田さんに染めていただき、このたび「FAS丹後ちりめん風呂敷バッグ」として発売する運びとなりました。

1300年の歴史をもつ、京丹後の絹織物

FASの黒米発酵液の原料となる黒米は、京丹後市弥栄町芋野郷というエリアで栽培しています。わたしたちの田んぼがある京都府北部の丹後半島は、丹後ちりめんを中心とした織物の一大産地でもあります。その歴史は古く、今から約1300年前の奈良時代(739年)に丹後の国鳥取で織られた絹織物が聖武天皇に献上され、現在でも正倉院に保存されています。丹後半島の厳しい寒さと湿気の多い気候風土は黒米同様、絹織物の生産にも適しているのです。

やわらかい光沢、しなやかでしっとりとした心地よい肌触り。独特のシボ(生地表面の細かい凹凸)が特長の丹後ちりめんの始まりは江戸時代。今回生地をご提供いただいた山藤織物工場は天保4年(1833年)創業。190年もの長きに渡り、この地で丹後ちりめんの白生地を織り続けている織元です。山藤さんを初めて訪ねたのは昨年秋。芋野での稲刈りを終えたその足で、FASの田んぼから車で30分ほどの場所にある工房へ向かいました。山藤さんの工房は日本三景のひとつ、天橋立の近くの与謝野町に位置します。日が暮れかかった日曜日の夕方、山藤さんは温かくわたしたちを迎えてくださいました。

工房の周囲は、昔から和装小物を生業としていた機屋さんが多く、山藤さんが織っているのも風呂敷や帛紗の白生地。織物は経(タテ)糸と緯(ヨコ)糸が垂直に交差するように織られていますが、ちりめんの独特のシボを生み出すためには、緯糸に使う強撚糸(ねじり合わせた糸)が欠かせません。この撚糸を支える八丁撚糸機と呼ばれる機械は、山藤さんの工房で120年もの長い間、現役で動き続けているのだそう。ちりめんのシボは、織り上げた生地を精錬(熱湯でセシリン(糊状のたんぱく質)や不純物を洗い流す工程)する段階で、撚られた糸が元に戻ろうとすることで生まれます。今回は一般的なものよりもシボが大きい「うずら」と呼ばれるちりめんを使っています。斎田さんの作風に合わせて織機を改造し、特別に仕立てたものです。

日本画の手法を応用し"染め"に奥ゆきを

山藤さんを訪問した翌月。アトリエで制作中の友禅染め作家・斎田さんを訪問しました。埼玉県飯能市を流れる、穏やかな成木川のほとりに空き家を改装したアトリエがあります。友禅染めは、生地に絵を描くように模様を染めていく染色技法。地域によってやり方が異なり、分業制の京都友禅に対し、東京友禅はすべての工程を一人の職人が担います。その工程のうち、普段は見ることができない染色作業を見せていただきました。

真っ白な絹地にスッと線を引くように刷毛を動かす「引き染め」。今回の作品は、霞や雲などを表現する時に着物でもよく用いられる「霞ぼかし」という手法で、FASのキーカラーであるブラックを基調に墨が水面に滲んでいくような様子を表現していただきました。この黒のグラデーションにより奥ゆきをもたらすのが斎田さん独自の裏彩色を染めに応用する技法。

裏彩色とは、もとは日本画の手法。絵を描くための絹地の裏側から彩色や箔を貼り、表からの彩色に微妙な変化を与える技法のことです。「伊藤若冲が金色を表現するために高価な金をあえて使わず、黄色を裏彩色して(表から見た時に)金の輝きを表現しているのを見て、これを染めにも応用できないかと考えました」と斎田さん。

少しずつ間隔を空けて刷毛を動かし、その間を埋めるように濃淡が異なる別の黒色で染めていきます。引き染めは、生地の裏側まで染料をしっかり染み込ませることがきれいに仕上げるコツ。張木と伸子(細い竹の棒に針を埋めたもの)という道具を使って、生地をピンと張って宙に浮かせることで染料が生地の中までしっかり染み込むのだそうです。

写真では静的な印象に見えますが、実際には体を使って勢いよく、シャッシャッと刷毛が絹の上をリズミカルに滑っていく音が記憶に残っています。

「刷毛は鹿の毛でできています。鹿毛は中が空洞なので、高密度でも軽くて扱いやすい。扇状に開いているので刷毛のあたりが出にくく、ぼかしに向いています。この刷毛がないと、きれいにぼかせませんね」と笑う斎田さん。

"染められてこそ白生地"。山藤のちりめんへのこだわり

絹は匁(もんめ)といって、分厚くてどっしりと重い方がシルクをたくさん使っていて高価。それは染めの観点からも同様で、厚手の絹の方がその分染料をたっぷり含んで、こっくりとしたいい色が出るのだそう。「呉服は生地ありき。染めがいくらよくても、生地が悪ければ意味がないんです。生地次第」。斎田さんはそうきっぱりと言い切ります。一方、山藤さんは「染められてこそ白生地」と掲げています。一般的なちりめんに比べ経糸の密度を上げて生地のコシを高め、同時に緯糸から生まれるシボを確保するために10%多く撚りをかけて、コシの強いちりめんでありながら独特の風合いを出しているのだそう。斎田さんの作品は上質なちりめんを追い求める山藤さんの生地あってこそなのだと感じました。

「ボコボコしているちりめんのことをうずらと呼ぶのですが、山藤さんに聞いたら右撚り糸を4本、左撚りの糸を4本通して、これだけの凹凸を作っているそうです。このシボの凹凸によって生地に3次元の奥ゆきが生まれ、この立体感に裏彩色の手法を組み合わせたらさらに奥深い風合いを出せるのではないかと。とはいえ、裏彩色で裏側の山(凹凸の凸部分)をスーッと撫でるように染めるのですが、山だけを染める手加減に慣れるまでが大変でした。簡単に裏まで染みてしまうので一年くらい試行錯誤しましたね。刷毛を横方向にしか動かさないことが大事なのですが、そこに辿り着くまでに時間がかかりました」

そんな苦労があったとは微塵も感じさせない手際のよさで染色作業はあっという間に進み、ひと通りの作業が終わった頃、ちょうど空がきれいなピンク色に染まっていました。こうしてでき上がった霞ぼかしは、京都の東山にかかる霞のような、どこか幻想的な美しさを感じさせます。そんな特別な丹後ちりめんを風呂敷に仕立てました。今では手にとる機会が少ない風呂敷ですが、そもそもは「ものを包む」ために生まれた道具です。「包」という漢字は、お腹に子どもを宿した母親の姿を表しているといわれています。そう考えると、ものを包むという所作には、ものを大切にし、丁寧に扱いたいという心が何よりも表れるのだと思います。どうかこの風呂敷がみなさまの大切なものを包む役目を担えたら何よりの喜びです。

丹後ちりめん風呂敷バッグは、2月19日より伊勢丹新宿店の本館1階、化粧品/プロモーションにて開催するPOP UPにて展示・販売いたします。風呂敷としてはもちろん、付属のバングルに結んでバッグとしてもお使いいただけます。新商品「FAS ザ ブラック デイクリーム」も同時発売となります。この機会にぜひ足をお運びください。

製品概要

FAS 丹後ちりめん風呂敷バッグ
¥16,500(税込)
※なくなり次第終了。

FAS トライアルキット 丹後ちりめん風呂敷バッグ
¥19,745(税込)
キット内容:丹後ちりめん風呂敷、バングル、FAS ザ ブラック エッセンス/40mL、FAS ザ クリア クレンジングジェル/28mL 、FAS ザ ブラック デイ クリーム(販売名:FDクリーム)[医薬部外品]/8g、FAS ザ ブラック クリーム パウチ(販売名:Fクリーム)[医薬部外品]/2包、FASオリジナルミラー
※なくなり次第終了。

Profile

斎田次郎

斎田次郎

友禅染め作家。東京都生まれ。大学卒業後、萩原一三氏に弟子入りし、型友禅を学ぶ。東京手描き友禅、天然染料・顔料染め、水墨画などを学び、2002年に埼玉県飯能市に工房を構える。日本画の手法・裏彩色を染めに応用する独自の作風で風呂敷やストールなどの作品を制作している。

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