自然が育む黒米の収穫
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2026.04.07

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自然が育む黒米の収穫

 

FASの製品づくりの原点ともいえる「黒米発酵液」。ブランドのローンチ以来、すべての製品に配合されるこの発酵液の原料となる黒米は、京都の最北端・京丹後の地で、芋野郷赤米保存会の皆さまの手によって丁寧に育てられています。FASの黒米が収穫の時期を迎えたとご連絡をいただいたのは、11月に入った頃のこと。東京から片道6時間の道のりを経て到着した先には、よく晴れた青空のもとで黄金色に輝く稲穂がゆったりと風に揺れていました。

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京丹後の気候が育む黒米の色づき

一般的な白米の収穫は9月中には終えるのに対し、黒米の収穫はその1~2カ月ほど後のこと。黒米の色素であるアントシアニンは、朝晩の冷え込みによる寒暖差が負荷となることでゆっくりと色を深めていきます。山と海に囲まれ、薄い雲が空を覆う日が多い京丹後の晩秋に、あえて寒さに晒すことで、黒米はまるで冬を迎える準備をするように、少しずつ、そして確かに色づきを加速させていきます。
米の成長にとって日差しはとても重要ですが、刺すような日照りが続く昨今の猛暑は、田んぼの水温を上昇させ、苗を弱らせてしまう側面もあります。それはこの地域でも例外ではありませんが、雲によって光が柔らかく遮られ、適度な日光が注ぐこの地域本来の気候は、今の厳しい暑さの中で、黒米が健やかに育つための大切な環境といえます。

こうして夏を越え、秋の冷え込みを経て籾が深く染まる頃。その重みでしなやかに垂れた稲穂を、からりと空気が澄んだ日に収穫します。

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自然と向き合い、育てる

無農薬・無肥料栽培へと切り替えて2度目の秋。人工的なものに頼らずに自然の力に委ねる選択によって、手入れは格段に大変になりました。農薬を使えば管理の負担は軽くなり、雑草や虫も少なく、一見、田んぼはとても“綺麗”に見えます。けれども、効率を優先するよりも自然を本来の姿へと戻すことを大切に、手間暇を惜しまず向き合うのは、安心して使える素材を皆さまの肌へ届けたいという、わたしたちの想いそのものです。

昨年、田んぼの変化の中で、みんなで喜んだ出来事がありました。それは、おたまじゃくしが水の中をすいすいと泳ぎ、蜘蛛の姿を見かけたことです。農薬を使う田んぼでは、害虫だけでなく、微生物や小さな命も姿を消してしまいます。 一方で、薬剤に頼らず、時間をかけて土を整えることで、生態系は少しずつ戻っていきます。

人工的な養分により肥えすぎた圃場も、余分な成分が次第に抜けていきます。人の手で丁寧に除草を繰り返し、雑草そのものを田んぼの外へ出すことで、やがて土が本来の状態へと還り、強く根を張る雑草も次第に姿を消していくのです。

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1粒にたっぷりの栄養を込める

農薬や肥料の使用は、苗の分げつ(茎の枝分かれ)にも大きく影響するといいます。田植えは通常、2〜3束ほどの苗を適度な間隔で植えていきますが、肥料を与えた土では苗の分げつがよく進みます。本来、古代米は分げつが少ない品種ですが、土壌が肥えすぎるとその性質に反して過剰に分げつが進むことがあります。一見するとそれは豊かな実りのように思えますが、実際は、株全体で栄養が分散することによって、1粒1粒に十分な栄養が行きわたらず、米の粒が小さくなったり、やせて軽くなったりといった弊害が起こり得ます。

無農薬・無肥料栽培とは、自然の土の力によって、苗の1本1本に、そしてお米の1粒1粒にみっちりと栄養を蓄えていくこと。そうして収穫した黒米に含まれる栄養を、発酵の力で余すことなく引き出して生まれる発酵液は、わたしたちの肌にも豊かな恵みを届けてくれます。

今年の稲は、昨年に比べて籾の量も多く、色も良いと、赤米保存会会長の藤村さんは話します。変化を恐れず、よりよいものを届けようとする挑戦は、こうして少しずつ実を結んでいくのかもしれません。

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受け継がれてきた知恵を手放さない

丁寧に栽培され、収穫された黒米が向かうのはハウスの中。ここで時間をかけて乾燥させます。この過程もまた、お米にとってはとても重要な仕上げの時間です。

近年では、収穫と同時に脱穀までを機械で行い、天日干しをせずにボイラーで一気に乾燥させる方法も一般的になりましたが、ここで育つ黒米は、稲穂を下に向けて1束ずつハウスに並べて吊るし、自然の力で乾燥させています。逆さにして干すことで茎や葉に残った栄養がゆっくりと実へと流れ、より力強く美味しいお米になっていくのです。
米栽培に携わって60年以上になる赤米保存会の藤村さん。その昔は1束ずつ鎌で刈り取り、手で縛り上げていたのだといいます。今は稲刈りには機械を取り入れるようになりましたが、乾燥の工程においては昔と変わらず、1つ1つ丁寧に束を開いて稲架(はざ)にかけ、天日干しにしています。

新しい技術を取り入れながらも、受け継がれてきた知恵を手放さない。その姿勢は、まさにFASが大切にしている価値観と重なるものであり、FASがこの地で栽培される黒米を選ぶ理由でもあります。

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冬を超える田んぼ

収穫を終えた田んぼは冬の静けさに包まれ、やがて降り積もる雪の下に姿を隠します。けれども、それは決して終わりではありません。刈り取った後の稲株は栄養となって土に還り、田んぼは4月の田起こしまでゆっくりと力を蓄え、次の季節への準備を始めているのです。

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こうして手塩にかけて育てられた黒米。化粧品原料として安心してお使いいただけることはもちろん、食材としても豊かな味わいを持っています。この春より、FAS 京都東山本店では、そんな黒米の販売を開始しました。肌を美しく整える素材として向き合ってきた黒米は、同時に内側からもわたしたちを健やかに養う穀物でもあります。 この機会に素材そのものに触れることで、「内と外からの美しさ」という思想を、より深く感じていただけたら幸いです。

桜咲く京都の地で、皆さまのご来店をお待ちしております。

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